断熱のすすめ ~ヒートショックのメカニズム~
2020年10月31日更新
こんにちは。リノベLABOの菅原です。キンモクセイが街中に香り、過ごしやすい季節になりました。みなさんいかがお過ごしでしょうか?
北海道からはすでに初冠雪の便りも届いております!もうそんな季節だっけ⁉と毎年のことながらびっくりしますね。そして気が付けば伊吹山も雪化粧し始めあっという間に寒~い冬がやってきます。今日はそんな「寒さ」に対して人間の体の中で起こっている事をお話します。
ヒートショックのメカニズム
最近ではニュースなどでも頻繁に取りあげられ、よく知られるようになった「ヒートショック」という言葉。皆さんもヒートショックがコワいという事は知っていますよね。そもそもヒートショックとはどのような症状なのでしょうか?
↑LIXIL「我が家は快適健康ハウス」より
簡単に言うと、「ヒートショックとは、急激な温度変化による血圧の急上昇や急降下によって引き起こされる脳卒中や心筋梗塞」です。そして、そのヒートショックの引き金となるのが、全身に張り巡らされた「毛細血管」へのダメージです。
毛細血管と血圧
急に寒い所へ移動すると、体の中では次のような事が知らぬ間に起こります。
① 血管が収縮して体温を保とうとする。
② 全身の血管が細くなることで血圧が急上昇する。
人間の皮膚は大きな放熱板のような働きを持っています。そして血管や血液は体温を体の隅々まで運ぶ道路です。寒い時は体温を逃がさぬよう血管が収縮し血液の流量を少なく調整します。その結果血圧が上がります。一方暑い時は血液の流量を多くして放熱しやすくするため、血管が広がり血圧がぐっと下がります。
若い人の血管は柔らかいゴムチューブのように高圧の血流に耐えます。しかし歳を重ねるごとに血管は柔軟さを失い高圧に耐えられなくなっていきます。「動脈硬化」などがその一例ですね。塩分の取りすぎやタバコなどでも血管の硬化が進むそうです。そしてここが重要、体の中で一番毛細血管が多く、また破裂したらマズイ場所が、
「脳」。
脳内の毛細血管の破裂が、第1のヒートショック「出血性脳卒中」です。そして、これだけでは終わりません。今度は寒い場所から急に熱いお風呂に入ったところで、また危険が迫ります。急激な血圧の上下により心臓に負担がかかり、心筋の硬直や心拍異常をきたします。第2のヒートショック「心筋梗塞」「心臓発作」です。
どのように防ぐ?
原因となる血圧の乱高下を防ぐことができればヒートショックを防ぐことができます。できる限り体を温度差に晒さないこと。皆さんもご存じの通り「断熱」の出番です。では浴室を断熱すればいい?いえいえ少し違います。問題は寒い廊下と洗面所にもあります。この先は次回でお話します。断熱ってすごく奥が深い、というか、ただやるだけではお金の無駄になってしまうかもしれません!きちんと計画的に戦略的に施工しないと、健康面以外の他の問題を引き起こす場合があります。次回こうご期待です(笑)
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