断熱のすすめ ~断熱リフォームの極意~
2020年11月16日更新
こんにちは。森住建リノベLABOの菅原です。
さて、前回に続いて「断熱」についてお話します。ヒートショックを防ぐためには「家の中の温度差をなくす」ということでしたね。では実際に「断熱」リフォームを行う際に注意すべき点やポイントをお伝えします。
窓を制する者は断熱を制す
断熱リフォームというとまず思いつくのは断熱材の施工やペアガラスへの交換ですよね。特に効果的なのが「窓の断熱」です。冬の寒い時、室内でたいた暖房の熱の約半分が窓から逃げてしまいます。逆に夏の暑い時は、室内で一生懸命クーラーが涼しい空気を作り出しても外から猛烈な暑さが侵入してきますがその約7割は窓からです。
どうでしょう?上の図を見て頂ければ「窓」がキーポイントだとお分かり頂けるのではないでしょうか。
大事なのは「窓断熱する場所」
最近では「インプラス」など、簡単に取付けができる内窓なんかもあります。
ほんとにお手軽に窓断熱ができる時代になりました。ですが、やみくもにやってもダメです。窓断熱を考える際に抑えておきたいポイントは、
どこの窓を断熱するか?
です。前回のヒートショックのお話で、人体がいちばん危険にさらされる場所をお伝えしました。結論から言えば、優先すべきは①廊下②洗面脱衣室③浴室④トイレです。廊下に窓が無いお宅もありますので、その場合は洗面脱衣室と浴室、トイレの順番ですね。リビングの大きな窓をペアガラスに変えたいといったご要望もよく聞きますが、健康面からアプローチするとリビングは一番後回しです。たいていのお宅では家族が集まるリビングは暖房をしっかりかけているため、家の中で一番暖かい空間になっていると思うんです。
しかし考えてください。ただでさえリビングとの温度差がある廊下や洗面所です。そこでさらにリビングを暖かくすると、温度差はさらに大きくなります。ヒートショックの原因は温度差です。何度も言いますが、優先すべきは廊下、洗面所、浴室、トイレの窓です。「リビングが23℃で他の場所が7℃」は危険です。「リビングが18℃、他は13℃」くらいを目指すのが理想的です。
これからリフォームやリノベーションをお考えの方は、ぜひともご家族の命や健康の為にも「断熱」について「温度差を考慮しながら」今一度しっかり考えて頂きたいと思います。
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余談ですが、全国で一番ヒートショックの死亡者数が多いのはどこの県でしょうか?一番寒い場所・・・北海道!って思いませんか?現実は違います。
47都道府県中、北海道は46位です。沖縄の次にヒートショック事故が少ない!なぜでしょう?
答えは「家の中がどこに行っても暖かい」から。戸建て住宅はもちろん、コンビニまでもが2重玄関にするなど色んな工夫を凝らしています。
ヒートショック発生数上位はどこも寒いイメージの無い西日本。逆に寒いイメージの場所は死亡者数が少ない傾向にあります。結局、外の寒さはあまり関係なく,「室内の温度差の有無」が大きく影響するんですね。ちなみに私も15年ほど前まで北海道の占冠村(シムカップ村)という所で10年間生活していました。冬の朝は-20℃以下があたりまえの極度に寒い地域でしたが、建物の玄関を入った瞬間からTシャツ短パンで歩けるくらい暖かかったことを覚えています。
☝アトラクション並み。寒いより「痛い」。もちろんバナナで釘が打てます。
次回は、「断熱のすすめ」最終回。今回のお話をよりほじくって、「身代わり結露」についてや「冷暖房の正しい考え方」など、マニアックな内容でお送りいたします。マニアックと言っても断熱を考えるうえで基本となる内容です。お楽しみに!
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